ターゲット設定は、思考を整理するためだけでなく、実行の速度と精度を上げるための“仕組み”です。この記事では、会議で共有した内容をベースに、属性×状態の2軸でターゲットを定義し、Excelテンプレートを使って、リスト化→スコアリング→優先度決め→運用までを一連のプロセスとして回す方法をまとめました。まずは小さく作って、動かしながら整えていきましょう。
目次
ターゲット設定の3つの意義
そもそもターゲットを設定することの重要性は何でしょうか。
ビートレードでは、主に次の3点に意義があると考えています。
- データをもとにした数値改善が可能になる:到達率・接触率・アポ率などのKPIをセグメント別に見られるようになり、打ち手の効果検証がしやすくなります。
- ターゲットごとの訴求ポイントが明確になる:ニーズや課題が違えば、刺さる言葉も変わります。訴求軸が整理されると、メール・トーク・資料づくりが素早くなります。
- 迷いのない効率的な営業運用ができる:優先度・初回アプローチ・CTA(次の一歩)が決まるため、日々の判断が早くなります。そしてチームで設定ターゲットを共有することでチーム全体の成功効率を引き上げることができるのです。
ターゲット設定の2つの軸(属性 × 状態)
ターゲットを言語化するうえでの土台が「属性」と「状態」です。どちらの土台からターゲットを具体化していくかはケースによって使い分けてください。まず概念を揃えてから、具体化をしていきます。
属性(企業特性)
属性は、いわゆる会社や担当部署に関する“客観的に誰でも取得できるデータ”です。
BtoBの企業データベースや公開情報(コーポレートサイト、IR、求人票、官報・統計など)から、機械的に引ける項目です。母集団を絞り込むフィルタとして機能します。
- 例:従業員数/売上規模/業種コード/所在地・エリア/上場区分・資本関係/拠点数/担当部署・役割(総務、営業企画、情報システム、マーケ など)
- 役割:面の設計(件数・体制・KPIの見立て)を支え、セグメントの土台を作ります。
状態(ニーズの状態)
状態は、“いま、その企業がどんなゴールや課題を抱えていそうか”を言語化するためのカテゴリです。
一次情報(IR・PR・採用、登壇資料、ニュース、体制変更の発信など)から推察し、ニーズを抱えていそうな状態をタグとして付与します。
課題や問題カテゴリ、きっかけカテゴリ、情報収集手段のカテゴリなど何か一つのカテゴリを起点として他カテゴリを肉付けすることでメッセージと打ち手を決める中核になります。
- 課題:サービスや製品が解決できる課題
- 問題:課題が顕在化したタイミングの組織で発生していそうな問題
- きっかけ:課題が顕在化したきっかけ
- 情報収集手段:課題が潜在的、顕在化した人が解決策を調べる手段
ターゲット設定の実践イメージ
例をもとに具体的にターゲット設定をしてみましょう。
まずはターゲットを絞り込むためのメインカテゴリを決めます。
過去の問い合わせデータや受注データから、仮説を立てていくと良いでしょう。
例:セキュリティサービス(外部メモリからの情報漏洩対策サービス)のターゲット設計
前提:セキュリティ対策の中では基礎的な対策分類である
- 問題カテゴリを起点(状態カテゴリ内のカテゴリ)
:情報管理のルールがない、またはルール遵守を監視できておらず、漏洩リスクを回避できていない状態- 問題の原因:組織内にデータ管理の環境がない、情報管理のルールがない
情報を取得できる外注作業者がいる(特にその作業者がデータを自己保有する価値がある場合はリスクが高まる) - 課題:外部メモリによる情報持ち出しリスクを回避できていない、回避したい
- きっかけ:同業種における漏洩事件
- 問題の原因:組織内にデータ管理の環境がない、情報管理のルールがない
- メッセージ:御社と同業界の〇〇社さんで、外注先作業者様によるデータ持ち出し漏洩事件が発生してまして、
セキュリティニュースの情報提供ができればと思います。 - 打ち手:潜在ニーズへのアプローチとなるため、アウトバウンド型のアプローチが有効
- 属性
- 業種カテゴリ:医療
- 規模:病床数:100~600
- 在籍医師数:20名以上、外注医師:10名以上
- 部署:医療情報管理室
Excelテンプレで作るターゲットMAP(手順)
下記の流れ沿って進めると、迷いにくく再現性が出ます。ここからは、実務の流れを5ステップでご紹介します。
Step1:メインカテゴリの設定
まずは属性か状態の中からメインカテゴリとなる項目を決めます。
- 「属性」:従業員区分/業種/エリア/部門 など
- 「状態」:課題/問題/課題発生のきっかけ
Step2:他カテゴリにターゲット条件の情報を追加し具体化させる
次にメインカテゴリ内で他カテゴリを肉付けしていきます。
メインカテゴリで設定した項目が属性に含まれる項目であれば属性の他項目を、
一方で状態に含まれる項目であれば、状態の他項目を肉付けしていくと作業しやすいでしょう。
様々なケースがあるから特定が難しいと思う場合には、ケースごとにターゲットグループを増やしていきます。
ターゲット像を具体的にイメージするためにも項目はできる限り多く埋まっていることが良いでしょう。最低限の項目:属性カテゴリ:業界、従業員数 / 状態カテゴリ:課題、問題 は埋まるようにしましょう。
Step3:セールスメッセージの設定
ターゲットが決まったらそのターゲットに何を訴求するか、セールスメッセージを決めます。
下記にメッセージのワードをどのように設定するかまとめます。
これらが完成すると、30秒などの短時間で要点を掴んで商材の良さをアピールする文章が作ることができるのです。
- 商材カテゴリの説明ワード:そのターゲットのリテラシー、選択肢から「これはどういうものです」と大枠を説明するためのワード
- ターゲットの困りごと:状態カテゴリであげた問題や課題を一言でわかりやすく説明するためのワード
- ターゲットに提供できる利点・メリット:課題と紐づくメリットを説明するワード
- 選択肢や競合:課題解決の手段としてよく比較される対象
- 比較対象と大きく異なる特徴:一比較対象とは勝る点を一言で説明するキーワード
- 独自の経営資源・理念:上記特徴を提供できる理由を一言で説明するキーワード
- 同ターゲットにおける実績や優位性:導入実績など
Step4:ターゲットグループの名前を設定と優先度設定
ここでセグメントしたターゲットグループ名をつけます。
状態タグ(例:IS立ち上げ/体制拡大/ツール更新/営業疲弊 など)を複数付与
複数選択は「,」区切りで記入するなど、入力ルールを先に決めると運用が安定します。
優先順位を高・中・低で可視化します。上位から着手できるように並べ替えましょう。
Step5:リスト作成
属性で設定をした情報類からweb情報などで会社情報を抽出していきます。
ターゲットグループ一つにつき最低30件の顧客の声を集めると良いので、
テレマーケティングの場合は150件程度、リストの母数があると成果の分析がしやすいと思います。
よくあるつまずきとコツ
現場で起きがちなつまずきと、すぐ効く対処を先に共有します。
- 完璧を目指して進まない:“暫定ルールで回して直す”前提にすると動きやすくなります。
- 属性だけで判断してしまう:状態(ゴール・課題・体制)を併記すると訴求がぶれにくくなります。
- 点の活動になりがち:スコア上位→アクション→結果の振り返りまでを週次で1セットに。
- 入力がバラつく:ドロップダウン/入力規則で「許容値」を先に定義しておきましょう。
運用の回し方(週次/月次)とKPI
設定して終わりにしないための回し方です。週次は“学びを反映するサイクル”、月次は“傾向を見て重みや定義を更新するサイクル”として分担すると動かしやすくなります。
- 週次:新規リスト投入数、優先度上位の着手率、接触率、アポ率、学びの更新(タグ・重み)
- 月次:案件化率、平均リードタイム、セグメント別CVR、アクション別の効果差
まとめ
ターゲットは「一つの正解」に収れんさせるよりも、プロセスを反復して微調整したほうが結果が出やすいです。Excelテンプレに沿って作業を分解し、週次で学びを反映していきましょう。小さな改善の積み重ねが、商談化率や生産性の底上げにつながります。









