お疲れ様です。hune編集部です。
以前紹介した記事で、現在インバウンドマーケティングが広まっているという話をしました。
「マーケティングの起源と変遷~インバウンドマーケティングに至るまで~」
https://www.btdp.co.jp/hune/2016/09/14/1117/
今回は、インバウンドマーケティングのメリットや実施のポイントを紹介します。
目次
インバウンドマーケティングとは
優れた商品やサービスがあふれている現在では、従来のような「押して売っていく」というアウトバウンドの戦略(アウトバウンドマーケティング)だけでは購買につなげることが困難になってきました。
そこで近年登場したのがインバウンドマーケティングです。
<アウトバウンドマーケティング>
広告出稿をはじめ、展示会や新規の営業電話など、売り手から見込み客に対してプッシュアプローチを行うマーケティング施策。
<インバウンドマーケティング>
オウンドメディア(ホームページ)やセミナー、ソーシャルメディアなどで
有益な情報を発信し、見込み客から見つけてもらうマーケティング施策。
前回掲載した記事より
「見つけてもらう」ということが主体となるため本当にニーズのある方を集めることができます。
インバウンドマーケティングの実施方法と実例
インバウンドマーケティングは具体的にどうやって行うのか?
一般的には、以下のステップがあると言われています。
1、様々なチャネルを通じて興味を持ってもらう『Attract』
2、サイトへ訪問した人を、ランディングページなどを通じて見込み顧客にする『Convert』
3、見込み顧客へさらなるアプローチを行い、顧客にする『Close』
4、顧客に喜んでもらい、愛してもらえるようにする『Delight』
「様々なチャネル」と記載いたしましたが、これは
・オウンドメディア
・セミナー
・SNS
・ホワイトペーパー …etc
があります。
情報の発信はwebが中心となり、お客様に見つけていただくことがメインとなっています。
検索エンジンの評価は基本的には平等なため、作成主が個人であっても大企業であっても関係なく効果を得ることができます。
また、ブログやSNSを活用することで大きな資本が必要ないという部分も魅力です。
いくつか事例を紹介します。
【海外成功事例】SNSの活用で6億円を売り上げた化粧品メーカー
毎日公式ブログを3〜4回更新。Youtubeやオンラインマガジンなどのコンテンツも充実させた。美容に関するハウツーから、芸能ニュースまで幅広く扱い1日に何度も更新する。
また、サンプルや商品の利用方法を動画で流している。
創業2年で、定期購入登録のユーザーは10万人を超え、6億円を売り上げた。
ポイント
・創業当初からSNSの更新に注力。
・内容は紹介や宣伝ではなく、アフターフォロー等のユーザーが求める内容が中心。
・YoutubeやTwitter、Facebookなど、拡散の場を複数用意。
・コンテンツの種類を増やし、更新頻度を高めた。
【成功事例】広告費を半減させた国内ベンチャー企業
ECシステムを製造・販売しているこの企業は、SNSに月10本のコンテンツを投稿。
このコンテンツは自社システムの売り込みや紹介ではなく、ユーザーの課題解決に繋がる内容で作成。2ヶ月でPV数は2倍になった。
コンテンツ内にメルマガへの導線や電子書籍を用意し、見込み客を選別。意欲の高い見込み客には購買に近いコンテンツを提供した。
広告からの売上がほとんどだったが、半分をインバウンドマーケティングで補うようになった。
ポイント
・SNSは定期的に更新し、集客エンジンとして活用。
・コンテンツの閲覧から、メルマガ・電子書籍を利用し、見込み客を選別。
・ニーズの高い層に絞ったコンテンツで、顧客化を進める。
メリットしかない!よしやってみよう!
と思われた方…
実は…ただ単純にブログやSNSをはじめれば良いというわけではないのです。
顧客になってもらうには、誰がどのくらい反応してくれるか、作成したコンテンツは優良なのかという部分はしっかり数字を取り判断しなければいけません。しかし、それを1つ1つ解析していくのは非常に手間と時間がかかります。
そのため、インバウンドマーケティングのポイントとなってくるのが「MAツール」です。
MAツールの活用
MA(マーケティングオートメーション)とは
マーケティングの各プロセスにおけるアクションを自動化するための仕組みやプラットフォームのことを指します。
顧客や見込み顧客に対して、どんなアクションをとってきたかを記憶し、
「最適なコンテンツを、最適なタイミングで、最適な方法で届ける」
ことを目的に利用されます。
MAツールをうまく用いると、自動的に最適化された情報をユーザーに提供できるようになります。つまり、見込み客が必要とする情報を適時提供することが可能になり、結果として購買へと近づいていてもらうことが可能になります。
それでは…
自社でコンテンツを作ってMAツールを入れればインバウンドマーケティングは完璧!でしょうか?
実はそうはいかないのです。
「当初予定していた効果が得られない」ためにMAツールを手放そうと検討している企業も多いのです。
MAツール失敗例
○ツールの設定が想像以上に難しく面倒
リードスコアリング機能、ナーチャリング機能、CMS機能、SEO対策機能など、多くの機能があるMAツール。
しかし、各機能を活用するための的確な設計には、手間と時間がかかります。
実際に、あるツールを導入した企業では、「設定が面倒すぎて、やる人がいない」という声もあがっています。
○メールを送るだけのシステムになっている
ツールの各機能の設定が面倒だった結果、結局は一斉メールにしか使っていないという事態も数多く起きています。
また、コンテンツの反応をみてスコアを決めるため、コンテンツが不十分の状態で運用を始めても正しい数字が取れないのです。
○サイトにお客様が来ていない
サイトの訪問者や閲覧者が少ない場合は、スコアリングの対象となる顧客が少なくなります。
MAツールがサイトの閲覧数を伸ばしてくれる訳ではありません。
ツール導入後、スコアがたまらないまま半年経ってしまったというケースもあります。
○反応があった見込み客が顧客にならない
メールの開封や資料のダウンロードがあった顧客に訪問したが、まだニーズが曖昧で結局ペンディングになっている例もあります。
スコアリングが正しく出来ていないと、営業をかけるタイミングを間違う可能性があります。
多機能なためにすべての機能を使いこなせないという問題が多々発生しています。
また見込み客が集まったとしても、適切なタイミングでアプローチをしなければ顧客になってもらうことは難しいのです。
MAツールのスコアリングは、Webの行動履歴などデジタルで集めた情報だけで行われています。しかし、実際の営業の現場では、デジタル情報だけでは推し量れない部分があるのです。
では、成功と失敗を分けている要因は一体何でしょうか。
そのポイントとなるのが「インサイドセールス」なのです。
インサイドセールスの重要性
「インサイドセールス」とは顧客に訪問する営業部隊とは別に設置した内勤部隊が、電話やメールなどによって顧客とコミュニケーションを図る営業活動のことです。
過去のhune記事
今さら聞けないインサイドセールスとは? 〜重要性が増すインサイドセールスの役割〜
https://www.btdp.co.jp/hune/2016/08/01/955/
アウトバウンドマーケティングで得た情報だけでなく、インバウンドマーケティングから営業につなぐのもインサイドセールスの役割です。
○スコアリングのためのヒアリング
MAで収集される行動履歴データとリードとの関係を加味しながら顧客にヒアリングを行います。
そこで得た情報をもとにスコアを調整することで、より的確な運用に近づけます。
○営業活動前の選定
見込み顧客の中には、まだ具体的なニーズを持つには至っていない潜在顧客も少なくありません。
実際の営業プロセスにおいては、このような潜在顧客について、ニーズが具体化するタイミングがくるまでメールや電話を用いて継続してフォローすることも必要となります。
インサイドセールスを行うことで、質の高い見込み客を適切なタイミングで営業に引き渡すことが可能です。
インバウンドマーケティングとインサイドセールスのまとめ
インバウンドマーケティングは手軽に始めることができ、それを支援するツールが広まったことで成功を収めやすくなりました。
しかし、どんな便利なツールも正しく運用しなければ意味がありません。
そしてツールを正しく運用するためには、現状どうしても人の手が必要になります。
インバウンドマーケティング自体は低予算で始めることができても、正しくないツールの運用を続ければ効果が得られず費用は嵩むいっぽうです。
無駄を無くすためにも早めにインサイドセールスを導入し、自社にとって最適なマーケティングを行いましょう。