ノウハウ

カスタマーサクセスの重要な指標大全!サービスにあったKPIとは

 カスタマーサクセスは、提供するサービスやプロダクトを有効活用していただき、顧客を成功に導くことが求められます。しかし、SaaS製品など長期スパンでようやく顧客が成果を実感できるサービスの場合、サービス導入当初は顧客満足度が低いケースも多いです。
 そこでサービスやプロダクトの種類や特性、支援段階などにより、適切な指標(KPI)を設定します。各支援段階のKPIを計測し、業務改善や見直しすべき箇所を可視化することで、顧客がサービスを利用している状態を正しく“診断”することができます。数値に基づき、「設定でつまずいている」、「利用率が増えた」など顧客の状況をスピーディーに理解をして、適切なタイミングで行う顧客支援は、顧客を成功へ導く重要なスキームです。
このようなカスタマーサクセスを適切に実施することで顧客満足度が上がり、解約を未然に防ぐことでLTV(顧客生涯価値)を向上させることができます。

 本記事では、カスタマーサクセスにおいて設定すべき主要な指標を解説します。カスタマーサクセスにおいて一般的にどんな指標が設定されるのか、自社に最適なKPI設定は何なのか、ご参考にしてください。

 カスタマーサクセスとはなにか具体的に知りたい方はまずこちらの記事をご覧ください。
カスタマーサクセスとは?重要視される理由とともに分かりやすく解説

カスタマーサクセスの指標構造


 カスタマーサクセスの指標を大きく分けるとこのようなくくりになるかと思います。
お客様からの評価・満足度を健在させることは容易でないため、各フェーズ毎にいくつかの指標を選択し、様々な視点からカスタマーサクセス業務の施策が有効かどうか判断する必要があります。
 それでは各項目について説明していきます。

オンボーディング

 カスタマーサクセスにおける「オンボーディング」とは、顧客がサービスを使い始めてから、使用方法や機能を理解して「サービスを使いこなせるまでを支援するプロセス」のことです。
新たなサービスを利用する顧客はまだサービスに慣れていないため、導入の手間や使い方に疑問を感じ、サービスの定着が進まないことも多いです。指標をしっかり確認し、使い方がわからないポイントをレクチャーすることで顧客の疑問を解消していきます。オンボーディングを完了させることで解約のリスクを減らすことがとても重要です。

オンボーディング完了率

 提供製品・サービスごとに、ゴールとして設定した基準をクリアした際に、そのユーザーは「オンボーディング完了」と見なされます。オンボーディング完了率とはオンボーディングに入った企業数を分母とした完了企業の割合です。

オンボーディング平均リードタイム

 契約完了日~オンボーディング完了日の平均リードタイムのことです。
オンボーディング期間が長いほど、業績に反映しないコストが積み上がります。また、時間がかかるということは手間がかかっている場合が多いので解約リスクの上昇につながります。
よって、オンボーディング完了率・リードタイムを高める働きかけは、カスタマーサクセスのプロセス全体にとって意義あるアプローチとなります。

ウェルカムセミナー参加率

 新規顧客が製品やサービスを使いこなす上で必要な情報を得るためのセッションに参加する顧客の割合を示すKPIです。高い参加率は、顧客が成功を収める可能性が高く、逆に低い参加率は、サポートの必要性が高まる可能性があります。カスタマーサクセスチームは、参加率を改善するための戦略を立てる必要があります。

利用状況

 サービスを利用いただいても有効活用ができていなければ、満足度は下がり解約は高まってしまいます。下記数値が低い場合、利用されていない機能の使用例を紹介するセミナーなどの利用促進を行う施策を打ちましょう。

ヘルススコア

 ヘルススコアとは、顧客が自社商材を継続して使い続けてくれるかどうかをスコア化(数値化)したものです。直訳すると「健康得点」という意味合いになりますが、文字通り、顧客のサービス利用状況の健康状態を示しています。利用状況が健康であれば寿命が延びるという考え方であり、つまり適切に活用できていて満足度が高い状態であれば、チャーン(解約)リスクが低いと判断できます。

ログイン日数

 顧客がサービスや製品を積極的に利用しているかどうかを測定するためのカスタマーサクセスKPIの1つです。高いログイン日数は、顧客満足度や顧客ロイヤルティにつながる可能性があります。カスタマーサクセスチームは、ログイン日数を監視し、必要に応じてアプローチを変更する必要がある場合があります。

アクティブユーザー数/率

 アクティブユーザー数とは、サービスをアクティブに利用しているユーザー数のことです。この指標が多ければサービスに満足しているユーザーが多いと考えられます。また、アクティブでないユーザーは、サービスを解約する可能性も高いため、多くのユーザーをアクティブにさせることが重要です。特にSaaSモデルの場合、実際に使用しているユーザー数は重要な指標になるでしょう。

  • MAU:「Monthly Active Users」の略で、月あたりのアクティブユーザー数を示す。
  • DAU:「Daily Active Users」の略で、主にWebサービスやアプリなどで1日間にサービスを利用したユーザー数を表す指標のこと。

セッション期間

ユーザーが製品やサービスにアクセスしている時間を測定する指標です。セッション期間は、ユーザーが製品やサービスを使用している時間が長いほど高くなります。高いセッション期間は、製品やサービスの使いやすさや価値の高さを示すことがあります。

顧客満足度

 サービスをご利用いただいていても、顧客側のサービスに対する本音や意見はサービス提供側へ表現されないケースもあります。よって、外部の行動などから顧客全体の評価を見ていく必要があります。満足度が高ければ、口コミなどで新たなユーザー・契約を呼び込む可能性があります。

NPS

 NPS(=Net Promotor Score)とは、顧客ロイヤルティをはかる指標です。「どれくらい製品・サービスを周りの人にオススメしたいか」という観点で測られます。

CSAT

 CSAT(=Customer Satisfaction Score)とは、製品・サービスを使った顧客の満足度をはかる指標です。NPSと似ていると思われがちですが、NPSは他者への推奨度(=長期的・広義の体験を包括した回答となる)を測ることに対して、CSATは回答者の回答時点の満足度(=より短期的な回答を得られる)をはかれます。

CSQL

 CSQL(Customer Success Qualify Lead)とは、カスタマーサクセス活動によって発生および精査されたリードのことを指します。顧客の購買履歴やビジネスモデル、予算などの情報、顧客のビジネスや業界のニーズやトレンドへの対応度合いによって判断します。CSQLをKPIに置いたほうがいいサービスは、顧客が製品やサービスを使いこなすことが重要なサービスです。例えば、SaaSやクラウドサービス、ビジネスコンサルティングなどが挙げられます。これらのサービスは、顧客が製品やサービスを活用することによって、ビジネスの成果や成功につながることが多いため、CSQLの観点から見るとKPIとして適しています。

UGC数

 顧客からの生成コンテンツの量を測定する指標です。UGCは、ユーザーが自発的に作成した製品レビュー、ソーシャルメディア上の投稿、Q&Aコミュニティへの貢献などのことを指します。高いUGC数は、顧客エンゲージメントや製品の満足度につながることがあります。BtoBサービスはソーシャルメディアへの投稿が限られるため、BtoCサービスが指標として向いています。

契約更新

 サービスに満足いただいていれば、契約は更新いただける確率は上がりますし、
顧客との関係性が築けていれば、アップセル/クロスセル率も上がります。
契約更新時は一番シビアに顧客はサービスの価値について考えるので、顕著に満足度が表れる重要な指標といえます。

顧客維持率(CRR)

 顧客維持率(CRR=Customer Retention Rate)とは、一定期間に契約終了を迎えた顧客のうち再契約または契約更新をした顧客の割合を指します。顧客がサービスに価値を感じているかという点ではNRRと似ていますが、NRRが収益額をはかる指標であることと比較して、CRRは顧客数を測ります。

アップセル率/クロスセル率

 アップセルとは、現在利用しているプランよりも、より高額なプランに乗り換えもらうことです。クロスセルとは、関連する商品やサービスを進めて購入してもらうことです。どちらも顧客単価を上げるための施策として使われることが多いことが特徴です。
アップセル・クロスセルをする顧客は、現在のサービスに満足していると考えられるため、カスタマーサクセスのKPIとしても用いられます。
契約形態や関連商材が複数あるときには、KPIに設定することもおすすめです。

顧客貢献

 カスタマーサクセスの指標は自社の製品や契約状況などのデータから設計するので意識しなければ見えないのですが、「顧客自体の貢献にはどの程度繋がっているのか」を確認することはとても重要です。自社の製品の利用スコアがいくら高かったとしても、顧客の期待や目標に応えているとは限らないからです。この顧客貢献の指標は、いくら社内データをこねくり回しても出てくることはなく、カスタマーサクセス支援における顧客とのコミュニケーションを通じて、お客様個人に直接聞くしかありません。

 とはいえ「あなたのMBOを教えて下さい」「あなたがいる部署の目標を教えて下さい」とは信用関係がない中で聞くことは出来ませんので、SaaS製品の導入とサポートを通ずる中で少しずつ顧客の心を開いていくような歩み寄りが必要です。

顧客担当者MBO

 個々のカスタマーサクセス担当者が担当する顧客に対して設定された目標の達成度合いを測定する指標です。顧客担当者MBOは、顧客の成功や満足度、収益成長、リテンション率などの目標に基づいて設定されます。顧客担当者MBOをカスタマーサクセスのKPIに設定した方が適しているのは、個々の顧客と深く関わりながら、長期的な成功や関係の構築を目指すサービスであるSaaSやメンバーシップサービス、B2Bサービスなどが挙げられます。

顧客部署目標

 顧客企業内の特定の部署が設定した目標の達成度合いを測定する指標です。顧客部署目標は、顧客の業務プロセスやビジネス成果に関連する目標に基づいて設定されます。高い顧客部署目標の達成率は、顧客の成功や満足度を示すことがあります。

解約率

 解約率(チャーンレイト)とは、月額サービスやサブスクリプションビジネスにおいて一定期間内に「解約」「契約終了」した顧客の割合を示します。SaaSのような毎月課金型のビジネスでは、もっとも重要な指標です。

  • カスタマーチャーン
     「解約したユーザー」や「無料会員にダウングレードしたユーザー」が、一定期間内にどのくらいの割合で発生したかを示すものです。つまり「ユーザー数」を基準にして算出します。単に「チャーンレート」と呼ぶときは、このカスタマーチャーンレートを指していることが多いです。
  • レベニューチャーン
     一定期間内の「収益」をベースとして算出します。提供しているサービスが複数あり、価格がそれぞれ異なる場合は、カスタマーチャーンレートのみならずレベニューチャーンレートにも目を向けなくてはなりません。

財務

 カスタマーサクセスの業務を財務的に考えれば、どのように単価を上げ、どのように契約期間を伸ばすかに尽きると思います。
そして単価や契約継続を上げるためには、オンボーディング・利用・満足・貢献と一歩一歩積み上げる必要があると考えると、日々の業務と会社の売上の繋がりがカスタマーサクセス部門でも意識できるはずです。

売上維持率(NRR)

 売上維持率(NRR=Net Retention Revenue)とは、既存顧客からの収益が、一定期間でどのくらい維持できているかを示す指標です。顧客がサービスに感じている価値の変化を端的に表すことができるほか、短期的な収益の予測にも用いることができます。

LTV

 LTV(=Life Time Value)とは、一人の顧客がサービスの利用開始から終了までにもたらす平均的な売上額を指します。LTVを積み上げたものが、そのまま売上となるため解約率と合わせてカスタマーサクセスが見るべき必須の指標と言えます。

複数商材契約率

 1つ以上の商品やサービスを同一の顧客が複数契約している割合を表す指標です。このKPIは、同じ顧客からの収益を増やすことを目的としています。

まとめ

 カスタマーサクセスは能動的に様々な数字を追いかけ能動的な活動が求められます。
これからカスタマーサクセスを導入したいと思っている企業は、今回ご紹介した内容を参考に目標設定をしてみてください。また現在カスタマーサクセスがうまく機能していない企業は、KPI設定が適切でない可能性があります。KPI項目を見直したり、最適なツールを導入したりして、カスタマーサクセスによる売上向上を目標としていきましょう。
 ビートレード・パートナーズは営業支援の他、カスタマーサクセスの支援を行っており、カスタマーサクセス導入を検討される際は是非お声がけください。

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