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カスタマーサクセスKPIの顧客維持率とは?維持するための方法や施策を紹介

 カスタマーサクセスは、提供するサービスやプロダクトを有効活用していただき、顧客を成功に導くことが求められます。しかし、SaaS製品など長期スパンでようやく顧客が成果を実感できるサービスの場合、サービス導入当初は顧客満足度が低いケースも多いです。そこでサービスやプロダクトの種類や特性、支援段階などにより、適切な指標(KPI)を設定します。
 カスタマーサクセスにおけるKPIについて、他のKPIについて知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
カスタマーサクセスの重要な指標大全!サービスにあったKPIとは

 本記事では、カスタマーサクセスにおいて設定すべき主要な指標の一つである顧客維持率について解説します。顧客維持率の説明と向上させるための考えかたなど、詳細を紹介しています。伸び悩む売上の打開策を模索している方は、ぜひ記事内容をご確認ください。

顧客維持率とは

 顧客維持率とは、既存顧客が一定期間の間に取引を継続している割合です。自社の製品やサービスを一回限りでなく、継続してリピートしてくれる顧客の割合ということもできます。
 かつての、大量生産とマスメディアの宣伝による販売戦略は終わりを告げ、人口減と少子化の現代では、ファンを獲得して、できるだけ自社で消費してもらう販売戦略にシフトしています。顧客維持率は、現代のマーケティングを考える上で欠かせない指標です。

顧客維持率の計算方法

 計算の対象期間開始時の既存顧客に対して、期間終了時にどの程度既存顧客が残っているか?を算出します。計算式は以下のとおりです。

(期間終了時の総顧客数-期間中に増えた新規顧客数)÷期間開始時の既存顧客数×100
 
例えば1年間の顧客維持率を算出する場合において、スタート時の顧客数が1,200人、期間中に獲得した顧客の数が700人、翌年3月31日の顧客数が1,500人の場合は、下記となります。顧客維持率そのものでは良し悪しを判断できませんので、業界の平均値と比較するなど相対的な評価が必要です。

(1,500-700)÷1200×100=66%

顧客維持率算出の基準

 顧客維持率を算出する時は、以下3つの基準を用います。企業のビジネスモデルや商材によって顧客維持率の基準は変える必要があります。自社のビジネスモデルの特性をあらためて見直し、最適な基準を使いましょう。

  • フルリテンション 毎日使ってくれた人のみを顧客としてカウントする
  • クラシックリテンション:利用開始から1か月の間に利用している人を顧客としてカウントする
  • ローリングリテンション:任意の期間中に1度でも利用した人を顧客としてカウントする

顧客維持率からわかることとは?

 顧客維持率の数値から具体的にどのようなことが読み取れるのでしょうか。顧客維持率は数値でしかありませんが、算出された背景を読み取ることで、さまざまな状況が見えてきます。数値の高さや低さから読み取れる背景を以下にピックアップしました。

顧客維持率が高い場合

  • 継続して消費してくれる顧客が多い
  • 多くの顧客の満足度が高い
  • 多少の不満があったとしても、他に代わる商品やサービスが見当たらない
  • 顧客数が増え続けるため売上基盤が安定する
  • 売上げが順調に伸びていく

顧客維持率が低い場合

  • 離れてしまった顧客が多い
  • 製品・サービスやサポートの満足度が低い
  • 顧客数があまり増えていない
  • アップセル、クロスセルにつながる顧客を獲得しにくい
  • 新規開拓と既存顧客の売上げバランスが悪く、売上げがあまり伸びない

業界ごとの顧客維持率

 顧客維持率に種類があるように、業界ごとの顧客維持率にも違いがあります。自社の業界の数値を把握しておくことは、相対的判断を行う際に大切です。
アメリカで行われた調査結果を元に、業界ごとの顧客維持率を以下にまとめました。

  • メディア:84%
  • 保険:83%
  • ITサービス:81%
  • 建設&エンジニアリング:78%
  • 金融サービス:78%
  • 電気通信:78% ・ヘルスケア:77%
  • IT&ソフトウェア:77%
  • 小売:63%

 日々の生活の中でなんとなく続けてしまうサービスは、顧客維持率が高くなる傾向にありそうです。
業界ごとの数値は、あくまでも目安の一つです。自社の顧客維持率と利益の関係性を分析した上で、相対的な評価を行いましょう。

出典:CustomerGauge 2018 NPS&CX BENCHMARK REPORT

顧客維持率が重要な業種

 既存顧客のLTVを意識する企業にとっては、総じて顧客維持率は重要な指標ですが、中でも特に重視する必要がある業種があります。以下、2つのビジネスモデルを採用する業種や企業は、顧客維持率がカスタマーサクセスのKPIとして重要となります。

サブスクリプションサービスを基幹ビジネスとする企業

 「1か月990円で音楽聴き放題」など、最近増えつつあるサブスクリプションサービスを展開する企業は、顧客維持率がビジネスの生命線です。継続して利 用してもらえないと、継続した売上を出せません。
 初月無料や、3ヶ月間割引などの施策を用いて集客し、継続へ向けての有効な施策を行います。
サブスクリプションサービスは軌道にのると安定的な売上を出し続けることができますが、初期段階では継続してもらえないと宣伝費用で赤字になってしまう厳しいビジネスです。

刊行物や消耗品などを販売する企業

 新聞や雑誌、宅配弁当や洗剤、キッチン用品など、日々消費する商品や、継続してサービスを提供する業種では、顧客維持率が重視されます。
消耗品や定期刊行物は、一度購入して不満がなければ、同じ商品を繰り返し選ぶユーザーは多いです。
しかし、ちょっとしたきっかけで他社商品へ流れてしまうこともあり得ます。顧客維持率の推移をよく確認し、競合の動きなどを含めて日々分析が必要です。

顧客維持率低下した場合

顧客維持率が低下する要因と改善施策をそれぞれの項目にて、紹介します。

顧客維持率が低下する要因

 顧客維持率が低下する要因として考えられるのは、以下の3点です。

  1. リレーションシップの不足
  2. 商品やサービスに問題がある
  3. 商品やサービスの訴求ができていない

1. リレーションシップの不足
 強いリレーションシップが構築されていると、サービスや商品に不満がある場合でも、ユーザーの即離脱は避けられます。
不満点があればフィードバックを貰える可能性が高いため、ユーザーとの関係性が脆弱な場合と比べて、改善の猶予がもらえることが多いです。

2. 商品やサービスに問題がある
 いくら関係性が強くとも、商品やサービスそのものに不具合など問題があれば顧客維持率の低下は免れません。前述の通り、強いリレーションシップが構築されていればフィードバックがもらえるため、悪い点はすぐに改善しましょう。

3. 商品やサービスの訴求ができていない
 多くの宣伝費用をかけて商品やサービスの利用開始にこぎつけたとしても、商品やサービスの良さを訴求できていないと、ユーザーはサービス期間が終わると早々に離脱してしまうでしょう。
ユーザーの利用シーンを想定して便利な使い方を提案するなど、積極的な情報発信が必要です。

顧客維持率を上げるための施策

 顧客維持率が低い場合は、原因を分析の上、適切な対策を行う必要があります。施策内容はビジネスモデルや商材によって異なりますが、汎用性の高い代表的な施策を紹介します。

  1. ユーザーのニーズに合ったサービス提供
  2. 定期利用を誘うコンテンツ制作
  3. 解約防止のための仕組み作り

1. ユーザーのニーズに合ったサービス提供
 本当にユーザーにニーズに合った商品やサービスを届けられているのか?という問いは常に持ち続けなければいけません。
ニーズは変化するので、柔軟な対応力も必要です。情報収集は日頃から怠らずに行いましょう。

2. 定期利用を誘うコンテンツの作成
 既存ユーザーに優しいサービスを行いましょう。
例えば、使えば使うほど得になるキャンペーンの実施や、会員限定の割引など、会員サービスの充実は顧客維持率に大きく影響します。
新規獲得キャンペーンに注力してしまいがちですが、既存顧客への施策も同様に大切です。

3. 解約防止のための仕組み作り
 解約防止対策は、必ずしもユーザーフレンドリーとはならず、関係性を壊してしまう可能性がありますので、解約理由のヒアリングと解決策の提示などにとどめておいたほうが良いでしょう。

まとめ

 既存顧客のファン化を重視する現在のビジネスモデルにおいて、顧客維持率という指標はとても重要です。
サブスクリプションサービスや消耗品などを提供する企業にとっては、生命線といっても良いでしょう。
 また、顧客維持率を高めるための、カスタマーサクセスの視点も大切です。ピンポイントな商品やサービスの提案や、ユーザーにとって有益な情報の提供にも注力したいところです。顧客維持率の数値を元に分析と改善を続け、売上の礎となる顧客数の増加を目指していきましょう。

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